これまで381系の特急として、1982年夏と2000年秋の「やくも」を再現したので、今回は在来線特急では最も多く利用した「スーパーくろしお」を整備しました。
阪和線・紀勢本線の特急「くろしお」は、1978年10月2日の紀勢本線新宮電化を機に、それまでのキハ82系7両編成を381系100番台9両編成に変更して天王寺-新宮間で運転開始、1985年3月14日のダイヤ改正から閑散期には5号車と6号車のMM'ユニットを減車した7両編成の運用になりました。
国鉄分割民営化後の1989年7月22日ダイヤ改正から「スーパーくろしお」が専用編成で運行開始、同時に天王寺駅構内の阪和短絡線が完成して新大阪経由で京都まで運転区間が延長されました。
さらに1998年12月からリニューアル改造が始まり、新宮方の先頭車であるクハ381 100番台をグリーン車に格上げ改造してクロ381 100番台に改称し、スーパー編成とグリーン車の位置を合わせました。
余談ですが、この時に従来のサロ381は普通車への格下げ工事を行ってサハ381に改称されたので、くろしお色のサロ381は全車サハ381に格下げされていて存在しなかったと思われます。
今回再現したのは「スーパーくろしお」が走り始めてからリニューアルされるまでの編成です。
白浜アドベンチャーワールドに何回もパンダを見に行き、その度京都発着の「スーパーくろしお」/「オーシャンアロー」を利用したので最多乗車の特急列車になりました。
2009年4月に唯一紀伊勝浦まで足を延ばした時は、京都ー新大阪を新幹線に乗って乗継割引を適用してもらい、特急料金を半額にしました。
最初に乗ったのは1994年頃で、「スーパーくろしお」の先頭グリーン車の最前列を頑張って予約しました。
その前に乗った「スーパー雷鳥」のパノラマグリーン車の印象が素晴らしかったので期待していたのですが、京都を出るとすぐに琵琶湖が広がる湖西線と違って紀勢本線は白浜近くまで行かないと海が見えない上、取ったのが進行方向左側の1番AB席だったので1列2人x2掛シートの右側に広がる海は見にくく、またハイデッカーではなかったのか前面展望も運転士の頭が邪魔でちょっとガッカリした記憶があります。
元々アドベンチャーワールドも三段壁や千畳敷などと同じ白浜観光名所の一つという位置付けで、観光客の少ない金曜日にアドベンチャーワールドに行ってケニア号や徒歩でサファリを見学(キリンにエサやった)、土曜日に定期観光バスや定期バスに乗って白浜町内を観光していました。
白良浜付近の写真館でカメラ用電池を買った覚えがあるので色々と写真を撮ったはずですが、整理が悪いので見つけることが出来ませんでした。
1994年9月6日に永明と蓉浜が来園して翌年にパンダランド完成し、良浜が2000年9月9日に誕生したころからパンダ・ぱんだ・大熊猫・・・と言い出して「特急くろしお」=「白浜アドベンチャーワールド」=「パンダ」の図式が出来上がりました。
さて、使ったのは381系スーパーくろしお4両セットを3箱で、実車通りの6両+3両編成としました。
このスーパーくろしお編成のトイレ窓はすりガラスのままのため、本来は付いていないモハ381のトイレ窓のみプラ板で塞ぎました。
「やくも」と同様にエバーグリーンの帯板(1.5mm幅x 0.25mm厚)からトイレ窓の長さに合わせて切出し幅を整えますが、慣れるとカッターで削り出すだけでほぼほぼピッタリにする事が出来、ヤスる作業がなくなって作業が捗りました。
またモハ380に搭載のパンタグラフは、当初「やくも」と同様のホーンが1本になったものと思い、簡単装着のGM5812 PS16Wを用意していましたが、実車の写真をアレコレ見るとホーンは2本のままで耐雪カバー付きの姿になっていました。
写真から判断するに、どうもリニューアル時にホーン1本タイプになった様です。
右が一般的なホーン2本でカバーなし(PS16C)、真ん中が今回のホーン2本で耐雪カバー付(PS16J)、左がリニューアル後のホーン1本で耐雪カバー付(PS16I)です。
耐雪カバーはないけどポン付け出来るKATOのPS16Bで充分と思っていたのですが、実車のパンタグラフ形状をググっている時に、ホーンが2本で上昇用バネに耐雪カバーが付いている「74138-1F モハ188GUあずさパンタグラフ」を見つけてしまったので、頑張って取り付けてみました。
以前にガイシ(取付け足)の先端を直接マークして穴を開けたら足が歪んでいた分ズレたので、0.5mmのプラバンにガイシ根元の寸法を測って0.7mmの穴を開けたジグを作ってみました。
ちょうどパンタグラフが収まっています。
でもプラ板って透明じゃないんですよね、このジグを置くと屋根板にモールドされたパンタ台の位置がわからない!
だいたいの位置を目分量で合わせてピンバイスを差し込んだら大外れ!慌ててやり直したら更に酷いことに……ウデもないくせにい〜かげんなことをやってはいけませんね。
結局のところ、プラ板と同じ寸法を直接マークして0.7mmの穴を開けて取り付け、浮き上がる箇所は以前と同じように裏から接着しました。
各種標記類については、車番とトレインマークおよびグリーンマークは製品に付属のシールを、方向幕はペンギンモデルの行先側面方向幕シールNo.52「くろしお/スーパーくろしお用」の新宮行(基本編成)と白浜行(付属編成)を、種別サボもペンギンモデルのアクセサリーシールAS11「特急用サボ」から客扉側に「特急・指定席/自由席」・反対側には「特急・LTD.EXP」を、号車サボもペンギンモデルのアクセサリーシリーズAS1「号車札 黒」から号車付きのものを使用しました。
白浜方面先頭車の1号車(クロ380-2)で、指定席のグリーン車(1/3が禁煙席)です。
スーパーくろしお用のクロ380は、1989年から1990年にかけてサロ381の後位側に大型前面窓を採用した先頭部構体を接合したもので、当初の座席は1列2人+2人掛だったのですが1996年に新幹線0系発生品で1列2人+1人掛けに交換しています。
付属のシールにはこの車両のトレインマークが付いていないため、ペンギンモデルのヘッドマークシールHW35(381系用)を使いました。
またJRマークもないため、Bトレwikiで紹介されている通り221系に付属のシールから転用しました。
2号車と3号車は自由席のモハユニット(64)で、2号車が禁煙車両です。
このモハ381-64に動力ユニット3を入れました。
4号車と5号車は指定席のモハユニット(40)で、5号車が禁煙車両です。
基本編成の天王寺方面先頭車である6号車(クハ381-502)で、指定席の禁煙車両です。
白浜での増解結の効率化のために、クハ381 100番台に自動解結装置・電気連結器を装備して500番台に改番されました。
編成の途中に入るためカトーカプラー密連型に交換しますが、そのままではスカートが邪魔して取り付ける事は出来ないので、カッターナイフで開口部を大きく切り開きました。
またカプラーのジャンパ栓は邪魔になるので根元からカットします。
スカートとカプラーポケットの隙間がなく全く首を振りませんので、スカートの厚みを削って薄くします。
スカート内側のクリアランスを確保しても殆ど首を振らないのでアレコレ調べると、カプラーのフックがスカートに当たっていました。
スカートのこの部分を削ってしまうとミテクレがかなり悪くなるので、強度が心配ですがカプラーのフックを薄くしました。
これでモハ380-500と連結してR140のカーブを通過出来る様になりました。
100番台と並べてもそれほど違和感は感じません(左が500番台)。
クロ380と同様に221系の付属シールにあるJRマークを使用しました。
7号車(モハ380-501)は自由席の禁煙車両で、クハ381 500番台と同じく白浜での増解結の効率化のために自動解結装置・電気連結器を装備していますが、白浜駅では移動しないため簡易運転台はついていません。
すなわち白浜駅では同一ホームから上りと下の特急が発着するという荒技を行っていたようで、ホームの端っこに付属編成3両がポツンと止まっているのが印象的でした。
クハ381 500番台と連結する側の貫通路が塞がれているので、Z04-9814貫通路塞ぎ板(381系SくろR)の取付足を切り飛ばして貼りつけました。
この貫通路塞ぎ板ですが、「スーパーくろしお」用と「スーパーやくも」用で形状が異なっていて、KATOのAssyパーツでも作り分けられています。
なお「スーパーやくも」用は、間違えて買って不良在庫になったZ04-9451貫通路塞ぎ板(381系やくも)です。
8号車のモハ381-34で、指定席の禁煙車になります。
9両編成になるので、これにも動力ユニット3を入れてあります。
9号車の付属編成天王寺方面先頭車(クハ381-107)で、指定席の禁煙車です。
クロ380と同様に221系の付属シールにあるJRマークを使用しました。
これで1994年頃の特急「スーパーくろしお」は完了です。
続いて1989年初夏の特急「しなの」にかかります。
以上