ひめたか鉄道2018

会社を定年退職して嘱託になり時間ができたことと、会社行事で見たアニメの銀河鉄道に出てくる車両に触発されて、これまで時間に追われてほとんど出来なかった鉄道模型を、ちょっと真面目かつ気楽に再開することにしました。

今さらのBトレ 特急「やくも」③ 2000年11月

f:id:himetaka2018:20220412104942j:image1982年夏に岡山ー井倉間を乗車した381系特急「やくも」9両編成をBトレで再現したので、続いて2000年11月上旬に安来(やすき)へ出張した帰りに安来から岡山まで乗車した時の編成を整備します。
この時は10月28日に鳥取西地震の余震で発生した土砂崩れの影響で生山ー根雨間が11月16日まで不通になっていたため、根雨駅で降りて代行バスに乗り換え恐ろしく険しい道を走って生山駅まで行った記憶があります。
f:id:himetaka2018:20220317142800j:imageさて1978年7月1日の伯備線電化時に9両編成で登場した381系「やくも」でしたが、1985年3月14日のダイヤ改正で閑散期には5・6号車のM'Mユニットを減車した7両編成になりました。
さらに1986年11月1日のダイヤ改正では、18両が日根野電車区に転出したこともあり、基本6両+増結3両の編成に変更されました。
f:id:himetaka2018:20220311102558j:imageこの時不足する先頭車を補うために、岡山寄り6号車のモハ381を先頭車化改造して新形式のクモハ381に改称しました。
このクモハ381ですが、全くやる気が感じられないシュールな簡易貫通扉が設けられているため、個人的にはあまり好きな顔ではありません。
f:id:himetaka2018:20220317142907j:imageその後1997年4月からのリニューアル改造施工に合わせて緑と灰色の「やくも」色に塗装変更、基本6両編成から2・3号車のM'Mを抜いた4両編成や、さらに4号車のグリーン車まで抜いた3両編成から、多客時には最大でMcM'Tcを増結した9両編成まで見られるようになりました。
f:id:himetaka2018:20220311105132j:image今回はこの減車された4両編成を整備しました…と言っても単に「381系やくも 4両セット」を組んだだけです。
Bトレwikiによると「地色がエラー。ライトグレーのはずがアイボリーになっている。」との事ですが、実車の写真と比べてもなんとなく明るい気がする程度で違いはよくわかりません。
f:id:himetaka2018:20220409011536j:image乗車したのは11月の閑散期のうえ前述のバス代行区間があることで全車自由席だったため最短の3両編成ではなかったかとも思っていますが、確証がないので調べてみました。
f:id:himetaka2018:20220402134851j:image2000年以降の時刻表を持っていないので1999年5月の時刻表で調べましたが、乗車した2000年11月までに編成の変更はなかった筈です。
f:id:himetaka2018:20220402135042j:image2種類の編成が記載されており、上の「やくも」がTcM'Mc[TsM'Mc]のグリーン車なし3両編成で下がTc[M'M]TsM'Mcのグリーン車付4両編成となり([ ]内は減車対象車)、乗車したのは時間的にグリーン車付4両編成の「やくも20号」の可能性が高いのでこの編成としました。
f:id:himetaka2018:20220405093438p:imageこの時刻表の編成表からわかる通り禁煙席が既に設定されているため、なんらかの禁煙表記がある筈と思ってネットの写真を色々見た結果、どうやら独立した禁煙マークではなく種別サボの下半分をさらに二分割して指定席/自由席と禁煙車を表記していたようで、この様式のサボをアレコレ探しましたが見つけることが出来なかったため、諦めて国鉄特急色の時と同じ内容としました。
f:id:himetaka2018:20220405114149j:image前回の国鉄特急色を整備中にモハ381にはない筈のトイレ表現があるというエラーがある事を知ったのですが、今回はそのモハ381が組み込まれていないので大きな間違いはないと思っていました。
f:id:himetaka2018:20220405125359j:imageところが、上記禁煙表記を探している時に全車両のトイレ窓がないことに気が付きました……どうやらリニューアル時に塞がれたようです。

f:id:himetaka2018:20220408160733j:imageクモハ381以外の製品は国鉄特急色と同じ金型を使っているため、トイレ窓がバッチリ存在します(写真ではラベルペーパーを貼っています)。
もちろん!窓を埋めて再塗装…な訳はなく、前回検討したけど手間かかり過ぎでやめたプラ板を貼る方法を採用し、このプラ板に車体色を塗装して塞がれている雰囲気を出そうと考えました。

f:id:himetaka2018:20220403175456j:image私のウデではプラ板を1.5mm幅均一に切り出すのは難しいため、エバーグリーンの幅1.5mmで厚さ0.25mmの平棒を使います(不器用なモデラーの強い味方です)。
f:id:himetaka2018:20220403180643j:imageこれを長さ4mmに切出し、トイレ窓の大きさに合わせてちょっとずつ周りを削ってピッタリサイズにします。
ラベル用紙に比べて側面との段差が少なくなっています(0.3mm厚だとツライチに近くなりそうです)。
サイズを合わせる際に#400でヤスると端がモケモケになったので、可能な限りカッターで削って#800で整えました。

f:id:himetaka2018:20220408160804j:image車体の緑色は、グリーンマックスの緑2号と緑15号を適当に混ぜてそれらしい色にして手塗りしました。
一番下のストローは、塗料をビンから取り出す時に使います。
f:id:himetaka2018:20220408161018j:imageパーツがちっちゃいので固定するためにテープに貼って塗ったら、はみ出た塗料が餃子の羽のようになって固まってしまいました。
f:id:himetaka2018:20220408161150j:image周りをカッターナイフで切ってからトイレ窓に貼ってみました。
う〜ん…ちょっとイメージと違って埋めた感丸出しになってしまいました。
色もかなり異なっていますが、今回はこれで埋めた事にします。
f:id:himetaka2018:20220405231916j:image各種標記類については、車番とトレインマークおよびグリーンマークは製品に付属のシールを、方向幕はペンギンモデルの行先側面方向幕シールNo.53「やくも・スーパーやくも」から白字でJR使用の出雲市行を、種別サボはペンギンモデルのアクセサリーシールAS11「特急用サボ」を、号車サボはペンギンモデルのアクセサリーシリーズAS1「号車札 黒 」から号車付のものを使用しました。
幸いなことにやくも色の車両にはJRマークやJR-Wマークは付いていないので、これらの調達は不要になります(準備しろ!って言われても入手困難ですが)。
f:id:himetaka2018:20220408161618j:image出雲市方面先頭車の1号車(クハ381-132)で、自由席の禁煙車両です。
客扉側のサボに「特急・自由席」を、反対に「特急・LTD.EXP.」を貼りました。
f:id:himetaka2018:20220409001429j:image4号車のグリーン車(サロ381-28)で指定席の禁煙車両です。
この車両はトイレ窓が塗り分け線にかかっているので、塞いでいるのがよりはっきりとわかっちゃいます。
f:id:himetaka2018:20220408234418j:image付属のシールは3種類ありますが、なぜか381系100番台国鉄色2両セットに付属のシールのグリーンマークだけが極端に小さくてGreen Car表示もなく、なんの車両に使うのかナゾです。
f:id:himetaka2018:20220408163824j:image5号車はパンタグラフ付電動車のモハ380-78で、4両編成の場合は喫煙の自由席になります。
f:id:himetaka2018:20220331212901j:imageモハ380のパンタグラフは標準的な直流電車用のPS16で、通常はシューとホーンが一体型の2本タイプですが、JR西日本ではホーンが1本タイプのものが使われています。
f:id:himetaka2018:20220331190456j:imageこのホーンが1本タイプのPS16はKATOとグリーンマックス(GM)から製品化されています。
f:id:himetaka2018:20220403170543j:image比べてみるとKATO製の方がやや小さく、381系で使われていた上昇用バネに耐雪カバーがついた耐寒型になっているのですが、Bトレ用の取付け足がなくガイシの下4ヶ所で止める方式のため加工が必要です。
f:id:himetaka2018:20220405131404j:imageGM製は取付足があるので無加工で取付けられますが、上昇用バネが剥き出しの暖地仕様で下枠も1本だけになっています(PS16の下枠は2本のはず?)。
f:id:himetaka2018:20220403172546j:image簡単に取り付けられるGM製品でいいか、多少実車と違っていてもそもそもショーティーやし…とは思ったものの、今回はパンタグラフ装着車が1両だけやし根気のない自分でも出来るだろうと、取付け用の穴を開けてKATO製品を使うことにしました。
f:id:himetaka2018:20220408180433j:image取付け穴の位置を実際にパンタグラフを台座に置いて決め、0.7mmの穴を開けましたが、パンタグラフに付いている取付け足がヒコ歪んでいるので差し込むのに結構苦労しました。
f:id:himetaka2018:20220405230418j:image取付け足(ガイシ)の付け根で計測しないとダメですねぇ〜上手く収まらないので裏側から接着して強制的に止めましたが、経年劣化で抜け落ちる可能性が大です。
f:id:himetaka2018:20220408164101j:imageまたこの車両に動力ユニット3を入れています。
f:id:himetaka2018:20220409024428j:imageこのユニットにもKATOカプラー密連型A黒を取り付けたのですが、カプラーを捻るとボロッと外れてしまいました。
f:id:himetaka2018:20220409024329j:imageカプラー押さえ板がキチンと嵌っていないようですが、通常であればコゼッても外れる事はありません。
f:id:himetaka2018:20220409024650j:imageモノによってはカプラーがポケットにうまく収まらずに、カプラー押さえ板が浮いて浮いてしまう事がわかりました。
f:id:himetaka2018:20220409024922j:imageこのカプラー押さえ板が浮かなくなるまで、カプラーの根元部分を削ります。
客扉側のサボに「特急・自由席」を、反対に「特急・LTD.EXP.」を貼りました。f:id:himetaka2018:20220404010257j:image岡山方面先頭車の6号車(クモハ381-1)で、指定席の禁煙車両です。
この車両のみ専用金型で簡易貫通扉が表現され、実車通りワイパーも片側1本ずつになりトイレ窓もありませんが、窓割りの関係からか窓と妻板の間に変な空間があります。
客扉側のサボに「特急・指定席」を、反対に「特急・LTD.EXP.」を貼りました。
f:id:himetaka2018:20220409012756j:imageこれで「やくも色」時代の特急「やくも」は完了です。
f:id:himetaka2018:20220412105231j:image習作で作ったジオラマですが、やっぱり風景があるといいですね(自己満足)。

f:id:himetaka2018:20220330150633j:imageその後2010年8月2日から全列車が「ゆったりやくも」にリニューアルされ、現在でも381系が現役で活躍する唯一の特急ですが、ついに2024年春から273系が投入されることになりました。
f:id:himetaka2018:20220330150647j:image国鉄特急色が復活したこともあって最後の姿を見にいきたい気はありますが、コロナ前の大阪環状線103系(オレンジ色の電車)や三江線留萌本線(留萌ー増毛間)廃止時のように、近年の葬式鉄の過熱度合いは凄まじいモノがあるので、還暦を超えたジジィが出向くのはちょっと躊躇しています。
f:id:himetaka2018:20220311113052j:image
f:id:himetaka2018:20220311113046j:image写真は廃線前の2016年7月に撮影した増毛駅のホームと駅舎です。
鉄らしき方も含めて観光客はだ〜れも居らずに閑散としており、流石にこんな僻地を訪問するテツはい〜ひんのやなぁと勝手に了解してしまい、わずか5ヶ月後にあの喧騒があるとは思いもしませんでした。
翌2017年7月にも再訪しましたが、この時は廃線の宣伝効果があったのかかなりの観光客で賑わっていました(どの食事処も売り切れで昼食を食いそびれました)。
f:id:himetaka2018:20220322173754j:imageそれよりも北陸新幹線敦賀開業が近づいて来たので、マスコミや葬式鉄の方々が騒ぎ出す前に地元のサンダーバードを見にいかんと…

 

以上