ひめたか鉄道2018

会社を定年退職して嘱託になり時間ができたことと、会社行事で見たアニメの銀河鉄道に出てくる車両に触発されて、これまで時間に追われてほとんど出来なかった鉄道模型を、ちょっと真面目かつ気楽に再開することにしました。

今さらのBトレ 113系京阪神快速の冷房化 0番台のジャンパ栓形状を考える

f:id:himetaka2018:20210703152554j:image1976年から2年間姫路から神戸の予備校に通い、その後4年間大阪の大学に通学したため6年間毎日のように京阪神快速に乗っていました。
上の写真は1982年頃に山科駅を発車する113系0番台の草津行普通電車で、真ん中の2本の線路は東海道本線の電車線、右奥に見える高架線は湖西線です。
f:id:himetaka2018:20210919014616j:imageなお当時の新快速は上り始発が姫路発8:36で下り最終が京都発15:45だったので全く利用出来ませんでした(1978年頃に新大阪-大阪間の上淀川橋梁で撮影)。
乗り始めた頃は非冷房車ばっかりで、夏季期間のみ網干まで乗り入れてくる湖西線直通の700番台が唯一の冷房車でした。
f:id:himetaka2018:20210919175101j:image当時は通勤時間帯である朝7時前後の大阪方面快速電車は5分毎に姫路を発車していたのですが、その中で07:05発の列車が平日は夏休み期間中のみ(休日はゴールデンウィークから)湖西線近江今津行(のちに永原行)の全車冷房編成に変更されていました。
当然通勤客はこの冷房列車に集中、悪いことに湖西線はホーム長の関係から8両編成(通常の京阪神快速は11両+グリーン車グリーン車も非冷房)だったため殺人的な混雑となり、非冷房車に乗った方が涼しかったくらいでした。
関西地方への0'番台冷房車の投入は1977年10月から、また0番台車の冷房改造も同じ頃に実施されたため、大学に入学した1978年頃から冷房車が増えた実感がありました。
翌年の1979年春には高槻区(大タツ)所属車はクハ111 416とモハ112/113 146を除いた261両の冷房化が完了していますが、何故か網干区(大ホシ)所属車は2000番台車25両とクハ111 457以外の218両が非冷房車でした。
乗り換えの関係で常に米原方先頭車に乗っていたため「いっつもこの4両だけ非冷房車やなぁ」とずっと思っていましたが、付属編成は大ホシ車だったんですね〜
f:id:himetaka2018:20211004141706j:imageこれまでに1971年夏と1976年春から乗車した全車非冷房の113系0番台初期車湘南色と、1976年夏〜秋に乗車した113系0番台初期車で全車冷房改造された阪和線新快速・快速電車を整備してきたので、今回は1978〜1980年頃の高槻区(大タツ)所属の冷房改造された113系0番台初期車湘南色編成を再現します。
1978年や1979年の大タツ編成表は探し出していたのですが、既にグロベン車だけで構成された編成はないため、非冷房車編成と同じく大タツに所属していた車両から車番を決めました。
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非冷房車と同じ4両編成セットシリーズの113系湘南色を使います。
f:id:himetaka2018:20211003010909j:imageこのセットの中間車は押込み型ベンチレーターなので、113系0番台阪和色の中間車についているグローブ型ベンチレーターの冷房屋根を使います。
f:id:himetaka2018:20210825122547j:imageこの屋根板は1両につき2枚ずつ付いているので、整備した阪和色6両編成で2ユニット分が捻出されます。
f:id:himetaka2018:20210920013620j:image今回の整備内容は非冷房編成と同じで、動力車以外は走行台車T/T改を使ってN化し、編成中間部のカプラーを11-703KATOカプラー密連形Aに換装します。
f:id:himetaka2018:20210913210822j:imageモハ113に動力ユニット3を組み込みます。
f:id:himetaka2018:20210919181654j:image付属のウェイトを両面テープで止めているのですがポロポロ落ちるようになりました。
f:id:himetaka2018:20211002220053j:image結構古いのでテキトーなモノを買ってみましたが、ちょっと粘着力が強すぎたようです。
f:id:himetaka2018:20210913210906j:imageモハ112 のパンタグラフをKATOの11-420 PS16Bに、避雷器をKATO Z03P0335モハ164-817避雷器に交換します。
f:id:himetaka2018:20210919181920j:image車番は1976年11月に冷房化された154、所属標記は大タツ(高槻)・定員は0番台の128名としてくろま屋さんのインレタを転写しました。
f:id:himetaka2018:20211003002626j:image先頭車の信号炎管は形状が良くないため、これまで同様モールドを切り飛ばして交換しますが、いままでは背の高い比較的後期タイプのKATO Assy(Z04-0707)しか持っていなかったため一択でした。
f:id:himetaka2018:20210920014106j:image今回GMの8079屋上機器パーツが入手出来たため、関西でよく見られた初期の台座が一体となった背の低いタイプにしてみました。
f:id:himetaka2018:20211002220909j:image切り飛ばしたモールドの跡に0.4mmの孔を開けて差し込んでから剥げている部分と信号炎管にGM鉄道カラーNo.13緑2号を筆塗りしましたが、以前のパーツと違って製品とあまり変わらなくなってしまいました。
f:id:himetaka2018:20211002222042j:image姫路方の偶数車運転台側はグリーン車と連結するため11-703KATOカプラー密連形Aのジャンパ栓部分を切り取って取付け、これと干渉するスカートの下側の出っ張りをカットします。
f:id:himetaka2018:20211002230519j:image米原方の奇数車は編成端になるため、ピン付のブロックで組んでダミーカプラーを装着し、台車のカプラーポケットを切り取ります。
この車両は奇数向きなのでジャンパ栓を取付けます。
f:id:himetaka2018:20210919124904j:image0番台のジャンパ栓は冷房化と共にKE76 x3に変更されたと思っていたのですが、手元の写真やネットで確認すると上の写真のように冷房化されても原型のKE58 x2のままとか、KE76に変更されても2個であったり3個になっていたりとバラバラでした。
f:id:himetaka2018:20210919131117j:imageまた関西では0番台以外は全て新製時からKE76 x3ですが、写真のように一番外側の1個は使われていないようでした。
f:id:himetaka2018:20210918221335j:imageそこで113系初期車の冷房改造後のジャンパ栓について文献やらネットやらを調査した結果、鉄道ピクトリアル No.952【特集】111 ・113系電車(1)の「113系0・1000番台におけるAU75系量産冷房改造」に「また、冷房改造に併せて車体側面行先表示器の準備工事を施した車両より、ジャンパ連結器(制御)はKE76x3に変更した。」と記載されている事を見つけました。
f:id:himetaka2018:20210919131721j:imageそっか、1番外のジャンパ栓は行先表示器用だったんですね、だから遅くまで行先表示器が使われてなかった関西では接続されてなかったのか…
またKE58とKE76はいずれも19芯で互換性があることもわかりました。
要するにどっちが付いていてもいいってことですね…
さて、大タツにいた冷房改造されたグロベン車のクハ111 0番台奇数向車は150 152 153 156の4両だけです。
吹田工場における冷房改造時の側面行先表示器準備工事の併工は1977年度からなので、1976年2月に冷房化された153はKE58 x2で他の3両はKE76 x3(ケーブル付は2)となります。
ただ150と156は冷房化と同時に前照灯がシールドビーム化されていたため、今回は原型ライトを選択したこともありKE76が付いた152号機としました。
f:id:himetaka2018:20211003003356j:imageKATOのZ04U8631ジャンパ栓KE76(緑)からケーブル付を2個とケーブルなしを1個使い、0.7mmの孔を開けて差し込んで裏からプラモデル用の接着剤で止めてケーブルにタミヤのエナメル塗料XF-1フラットブラックを筆塗りしました。
f:id:himetaka2018:20211004134735j:image正面種別行先表示にはペンギンモデルさんの「行先側面方向幕シールNo.5 113・115系/東海道・山陽・湖西・草津線」から「播州赤穂」を精密カッターで切り出して貼り付けました。
f:id:himetaka2018:20211004135318j:image所属標記は大タツ(高槻)・定員は0番台の116名とし、米原方の奇数向き車は前述の152、姫路方中間封じ込めの偶数向き車は1977年11月に冷房改造された463としてくろま屋さんのインレタを転写しました。
f:id:himetaka2018:20211004135855j:imageこれで両側クハ111の米原方4両編成(TcM'MTc)が出来たので、続いて姫路方の片側がグリーン車の4両(TcM'MTs)を整備します。
f:id:himetaka2018:20210826113653j:image113系0番台湘南色の車体はもう残っていませんので、名古屋のポチかポポンデッタで見つけたモハ114初期車0番台の組立て品と、かなり以前に秋葉原Laoxで買ったパート11開封品の115系初期車の中間車を使います。
f:id:himetaka2018:20210719032133j:image前述のグロベン仕様の冷房屋根に交換して113系0番台初期車の冷房改造車(モハユニット)に仕立てます。f:id:himetaka2018:20210919134602j:imageもともと113系115系の中間車の側板と台車は一緒なので、115系0番台車(モハ114 1-121/モハ115 1-135)と押込みベンチ仕様の113系0番台後期車(モハ112/113 181-232)は同一形状です。
f:id:himetaka2018:20210920014918j:imageこちらのモハ113はトレーラーなので走行台車Tを使います。
モハ112 はパンタグラフをKATOの11-420 PS16Bに、避雷器をKATO Z03P0335モハ164-817避雷器に交換します。
f:id:himetaka2018:20210920015139j:image車番は1976年5月に冷房化された125、所属標記は大タツ(高槻)・定員は0番台の128名としてくろま屋さんのインレタを転写しました。
f:id:himetaka2018:20210703175204j:imageまた非冷房車作成時に4両セットx2からクハ1両を除いた7両を使ったため、この余ったクハ111 を原型ライトの前面とグロベン仕様の冷房屋根を使って組立て、信号炎管を交換します。
f:id:himetaka2018:20211004001522j:imageこちらは1978年2月に冷房化された427とし、大タツと定員116名のインレタを転写、正面種別行先表示にはペンギンモデルさんの「播州赤穂」を貼り付けました。
f:id:himetaka2018:20210703214637j:image最後はグリーン車です。
1976年5月からサロ113の関西転入とサロ112の廃車が始まり、1978年4月末時点で大タツにはサロ113が13両・サロ110 0番台が11両(1 3 6 7 19 43 46 49 51 901 902)・サロ112が4両(3 24 25 26)在籍し、全車冷房改造されていました。
サロ112は1979年7月に全廃されますが、サロ110は1980年8月の関西圏グリーン車撤退後(9月末まで連結)も3両(1 901 902)を除いて国府津と静岡に転属して活躍を続けています。
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非冷房編成の時に検討したけど採用しなかったサロ110湘南色+スカ色 2両セットの湘南色に淡緑帯を塗装して使うことにしました。
この帯は塗装規定改定により1978年の新製車から無くなっていますが、グリーン車が廃止されるまでの短期間には新車配属も帯を消す作業も行われなかった筈で全車が帯を引いていたと思われます。
f:id:himetaka2018:20211004011854j:imageサロ112と同様にGM鉄道カラーSP41ペールブルーをスプレー塗装しましたが、最初から帯が塗装されているサロ165帯付と比較するとちょっと緑が薄いようです。
なお帯の幅はサロ110がスケール通りの1.0mmでサロ165は1.2mmとなっています。
f:id:himetaka2018:20211004114459j:image毎回塗装で苦労しているトイレと洗面所の窓ですが、今回もサロ112と同様に塗装ではなくラベルシートを貼り付ける方法を採用、車番は新製時から大タツに配備され1977年8月に冷房改造された51として、くろま屋さんの車番インレタとKATOのグリーンマーク・インレタを転写しました。
f:id:himetaka2018:20211004114708j:imageグリーンマークを貼っている時に気がついたのですが、以前に整備したサロ112のグリーンマークを片側1個しか貼ってない事に気づいたので追加しました。
f:id:himetaka2018:20211004140326j:imageこれで113系0番台初期車冷房改造編成は完了です。
f:id:himetaka2018:20211004141636j:image今から思うと、冷房編成の場合は時代的に全車を初期車に揃えるのではなく、0番台のグローブ/押込みベンチレーターと原型ライト/シールドビーム・0'番台の混成にした方が実感的でしたね。

 

以上