Bトレに続いてNゲージでも全車非冷房時代の113系0番台京阪神快速電車を整備します。
使ったのは2009年12月発売のマイクロエース製「A-0610 113系0番台+サロ110-902 湘南色 8両セット」で、製品紹介には「1977(昭和52年)6月以前の非冷房時代を再現」と記されています。
モハユニットはグローブ形ベンチレーターの171と、押込み式ベンチレーターの203で、モハ113-203がモーター車です。
クハは米原方奇数車が154、姫路方偶数車が412でグローブ形ベンチレーター、中間封じ込めの偶数車が492で押込み式ベンチレーターです。
いずれも原形ライト(大目玉)、一番前は箱型ベンチレーターとなっています。
グリーン車は側面にコルゲート板を表現したステンレス車体のサロ110-902で、これも非冷房車です。
この車両は1958年12月に車体外板等にステンレスを用いて製造されたサロ95902を、1959年の車両称号規定改正でサロ153-902に改称の後、1968年9月に近郊形化改造したもので、1977年9月に冷房化されましたが1980年5月で廃車になっています。
何故か昔から発売されていたKATOやTomixの製品は後期の2000番台車でした。
写真撮っていて気がついたのですが、KATO旧製品のジャンパ栓が1000'番台のKE76x2とKE70になっていて、2000番台のKE76x3とは異なっています。
またグリーン車が関西にはいなかったサロ110の1200番台だったので、関西編成を再現するために歓迎すべき製品ではありました。
しかしながら酷評された最初期の製品からはかなり改善されたとはいえ色々と問題は残っています。
前照灯のレンズが奥まっているうえ前面窓の縦横比が違っていて顔全体に違和感を覚えますし、ワイパーの存在感もかなり強めです。
また信号炎管が異様に小さいですし、おでこ部に不思議な突起物(無線アンテナ取付用のピン跡と思われる)があります。
ただ以前から言われていた顔のノッペリ感は無くなり、ベンチレーターの形状も改善されています。
比較したKATO旧製品は30年以上昔の初期に近いロットで、いわゆる増結台車を使って先頭車を連結するタイプです。
この増結台車って今でも入手可能なんですね、とっくの昔に生産中止かと思ってました。
まぁカーブで上の写真のクハ165のようにスカートごと首を振るので採用はしませんが。
時代的にKATO旧製品は室内灯も含めてムギ球、マイクロエースはLEDで種別方向幕も点灯しますが、何故かヘッドライトの明るさにはあまり差がありません。
マイクロエースのヘッドライトの光り方に輝差(色ムラ)があるようで、真正面から見ても差がある事がわかります。
テールライトはどっちも似た様な感じです。
マイクロエース製品は全体的にちょっと腰高な感じがあり、この113系も並べて見るとよくわかります。
トレーラーは台車のボスを削ったら低くなりそうですが、モーター車はどうにもなりませんのでシャコタン改造には手を出しません。
先頭車のクハ111から整備を始めることにし、ボディから床下を引き抜きます。
前述のようにKATO旧製品はムギ球を使っているため室内に巨大なライトケースが鎮座していますが、それ以外の室内表現はどっちも似たようなものです。
マイクロエース製品はモケットの色に合わせたのか室内が青色の成形色になっていますが、実車の色よりかなり明るい青色なうえ床はグレーなので結局塗装する事になります。
室内の色は近代化改装された客車と同様に、以下で塗装しました。
・床はGM鉄道カラーC-09ねずみ色1号
・シートのモケット部はGMのC-22ブルーB
・シート本体はタミヤカラーXF-12明灰白色
・トイレの壁は室内色であるMr.カラーC45淡緑1号
筆塗りなので塗りムラやはみ出しが酷いですが、スプレー塗装と違って天候に関係なく作業が出来ますし、車体を乗せるとムラなどは殆どわからなくなります。
ライトケースを外してライトユニットを確認、LEDはヘッド・テールともに白色で、プリズムの根元に着色することで電球色風に点灯させていました。
ヘッドライトの色ムラと明るさ低下はプリズムの着色にあると睨んでライトユニットの分解に挑戦!
ところがこのプリズムを抜く事が出来ず四苦八苦した挙句……「ペキッ」えっ?
あ〜⤵︎ やってしまいました。
テールライトのリムを覗くとプリズムの先端部が残っていました…幸いなことに抜け落ちない構造になっていたため、そのまま元に戻して「しゅ〜りょ〜」です。
これ以上作業を進めて肝心のヘッドライトのプリズムでも壊したら目も当てられません。
この製品ではアーノルドカプラーの取付部が変更されて車間が短縮されています。
それでもTomixのTNカプラーに比べるとかなり差があるので、全て0336密連形TNカプラーSP黒に交換します。
R280を通過させてみます……
ギリで当たっていません。
中間封じ込めクハ111-492の運転台側は中間連結器を外すとスカートもなくなるため、TomixのPZ-103スカート(113系用・黒)のジャンパ栓が左2右1のタイプを組み合わせて取付けます。
取付位置もサイズもダミーカプラーとほぼ同じです。
ネットで酷評されている付属のスカート形状も改良されているためPZ-103と殆ど変わりません。
そのため増結の予定のない編成端のクハ2両はTN化してもメリットがないため、ダミーカプラーのままとしました。
なおスノープロウのダミーの取付け棒にTNカプラーが干渉するので、この部分は切り飛ばします。
小さ過ぎる信号炎管はKATOのAssyパーツZ04-0707信号炎管(灰)に交換します。
モールドを切り飛ばしてからφ0.7mmの孔を開けてパーツを差し込む…あれっ?グスグス。
孔の径を間違えたようなので、ボンドGクリヤーで固定しました。
2両目からはφ0.6mmの孔に変更しました。
また米原方先頭車の154号機は車体前面にジャンパー栓納めが付いている奇数車で、113系非冷房車ではKE58タイプが2個付いていました。
そこで唯一製品化されているα-modelのNo231 KE58 ジャンパー栓納め(ケーブル付)を使い、前面運転台下に0.6mmの孔を2つ開けて差し込んで裏からタミヤセメント(流し込みタイプ)で接着しましたが、ちょっと間隔が狭かったようです。
栓納め部分に車体と同色のGM鉄道カラーC13緑2号を、ケーブルにタミヤのエナメルXF-1フラットブラックを手塗りしました。
このα-modelの製品、形状はとっても実感的で塗装もし易いのですが、結構なお値段のうえ入手が難しいという欠点があります。
室内灯はTORM.のLED室内灯 幅広タイプ・白色を使用しますが、数年前に新製品が発売されて仕様も価格も改定されています。
写真右側の旧製品(TL-012)に比べて左側の新製品(TL-N008)はLEDの数が増えてサイズも変更されています。
米原方の154で、クハではこれだけが旧製品の室内灯を使っています。
屋根に室内灯ユニットをセットして組んでも全く上手くいかず、線路上に下回りだけ置いて室内灯ユニットを載せた状態で車体上回りを押しつけて嵌め込みました。
クハ3両とも同じ方法で組立てましたが若干不安定で、特に154はヘッドライトやテールライトも不安定なので集電部分を見直す必要がありそうです。
TORM.の室内灯は多LED式なので均一に点灯してくれます。
編成両端の前面種別方向幕には、ペンギンモデルのシールから「米原」を切り出して貼り付けます。
実車では編成の米原方に増結していたので、幌を姫路方の412から米原方の154に移します。
これでクハ111は完了です。
余談ですが、0336TNカプラーの在庫が減ったのでAmazonで購入しました。
最近Amazonでは鉄道模型のパーツ関係を殆ど扱わなくなっていますが、今回はたまたまあったので購入しました。
普通に厚手の紙封筒にこのままポイっと入れて送られてきました(梱包の写真撮るの忘れてました)。
配送中に他の荷物の下敷きになったらこうなるわな〜の図です。
中身に支障がなかったので笑ってられますが…
続いて中間車に取り掛かります。
②へ続きます。
以上