今年始めから実施している自宅と実家の大規模な整理で出てきた資料や写真を基に、古い時代に行った旅行の行程検証を行なっていますが、検証だけでは面白くないので、久しぶりに1971年8月の北海道旅行で姫路ー新大阪間を乗車した113系京阪神快速電車をBトレで再現しようと思い立ちました。
検証記事で記載した通り、高槻区(大タツ)所属の113系0番台前期車(グロベン仕様)とサロの8両編成(播州赤穂←TcM'MTsTcM'MTc→草津)で、全車非冷房車の湘南色です。
まず普通車両7両です。4両編成セットシリーズの113系湘南色を使います。このセットは非ユニットサッシの0/1000番台なのですが、冷房改造車でかつ電動車ユニットは押込み式ベンチレーターの屋根板しか付いていません。押込み式ベンチレーターが採用されたのは1968年2月以降(電動ユニットが181〜、先頭車は162/474〜)ですが、1970年の万博輸送で関東にいた0番台初期車が大挙して押し寄せたため、関西ではグローブベンチレーター車が多数派になってしまいました。そこで同じ4両セットの115系が初期型でかつ非冷房仕様であるため、これの屋根板を使って非冷房のグローブ型ベンチレーターの屋根を作ります。このセットにはパンタあり/なしの屋根板が中間車毎に2枚ずつ付いているため、持っていた2箱で余剰になるモハ4両分が確保できます。また用途のなかった4両セットの115系スカ色1箱からクハ2両分を転用、スカ色車のパンタ付きは低屋根だけなので使えず、パンタなしの屋根板はサロ用とし、足りないクハ1両分はメルカリでパート11の115系スカ色先頭車を調達しました。この115系非冷房屋根板を使う場合、運転室側に付いている箱型ベンチレーターの位置が異なる(113系はセンター、115系は右にシフトしている)ため、これも撤去する必要があります。当初は写真にあるクハ153の非冷房屋根が使えるかと思ったのですが、全長が113系より微妙に長いため短縮するのは大変なので断念しました。先ず押込みベンチと箱型ベンチをニッパーで切り取り、開いた穴を成形します。次にその穴にプラ棒を押し込んで塞いで接着し、パテで隙間を埋めました。中間車も同様に押込みベンチを撤去します。なんとなく埋まっている気がするので、グレーのサフを吹いてみました。結構ヒケていることがわかります。そこでパテを変えてみます。上が普通に使っているラッカーパテで、下が今回挑戦する光硬化パテです。数分で硬化するうえ殆どヒケが出ないらいしですが、価格が3倍以上するので躊躇していました。ハケで適当に伸ばしたあと蛍光灯の下で硬化させようとしましたが固まってくれません。10Wの蛍光灯の下30cmではダメなようで、百均のUVライトを探しに行きましたが、どの店も売切れていました。暫く生産していないようです。仕方が無いので部屋の窓際に置いて太陽光を当てて硬化させ、再度ヤスリをかけてもう一度サーフェサーを吹きます。う〜ん…なかなか跡が消えてくれません。再々度パテを塗ってヤスリをかけて…あれ?なんか出ている……どうも穴を塞いだプラ棒が接着されていないみたいです。接着剤のつけ方を間違えたのか、はたまたプラモデル用接着剤ではつかないのか?と思いつつコレが理由で跡が消えないのかどうかはわかりませんが、再度接着剤を塗って様子を見、固まったらパテ塗りからやり直します。
続いてグリーン車にかかります。関西地区には1966年10月からサロ153改造のサロ110が、1968年3月からはサロ152改造のサロ112が運用に入っています。検証の時に調べたように、1971年の時点で大タツにはサロ110が6両とサロ112が19両いました。Bトレ113系用のグリーン車としてサロ110が製品化されています。これはN製品で標準になっている関西には居なかった1200番台ではなく、サロ153から改造された0番台(車掌室とトイレが両端に振分けて配置されている)のため、淡緑帯を塗って屋根を非冷房化するばOKです。
余談ですが先日ヤフオクでサロ153を含む12点がまとめて出品されていました。このサロは実車とは逆にサロ110を塗分変更したもの(なので実車には存在しなかった冷房改造車)でシークレットでした。出品者はご存じなかったのか600円前後で推移していましたが、最後は7,000円になってました、やっぱり……前述のようにサロ110は関西のグリーン車では少数派のため、また整理している中で出処が怪しいサロ165が出てきたこともあり、ウデも無いのにサロ112の非冷房車を作ることにしました(もちろん後で後悔しました)。このサロ165は2軸シャシの帯なし仕様なので、ベストリピートパート1と思われます。サロ112はサロ152を改造したもので外観は同じ、サロ152とサロ165は外観上台車が違う程度なので、このままサロ112になります。近郊型のグリーン車でこのサロ112のみ窓の形状が異なっています。113系と153系とでは塗り分け位置が異なっていますが、塗り直さなかった車両もあったのでそのままサロ112として使えます(冷房化と塗装変更は関係ないようです)。今回はどっちみち淡緑帯を塗ることと、大タツ車は妻板の回送運転台部分も塗り分けられていたことから113系の塗り分けに変更することにしました(どんどん後悔の度合いが大きくなります)。車体を丁寧に分解してガラスパーツを壊さないように外します。側板の窓下の塗り分け線から1mm下にマスキングします。上側は大体この辺…で決めました。この色は隠匿性が低いみたいで、下の緑色が消えるまでかなり吹いてしまいました。これが原因なのか、あるいはマスキングテープの押さえ方が弱かったのかわかりませんが、ラインがビシッと出ずグダグダになりました。あちこちはみ出ている(赤マル部)のでGM鉄道カラーC13緑2号で修正します。極細筆に薄め液を染み込ませてから塗料を着けてタッチアップすると、思っていたより簡単に「それらしく」直りました。また下地塗装をサボったので元ラインがはっきりわかりますが、帯を引けば目立たなくなると期待しています。ただ全体的に塗膜が弱そうで帯の塗装時に剥がれてしまう可能性が大きいです。しっかり洗ったつもりなんですが…前述の通り大タツのサロは簡易運転台がある側の妻板も塗り分けてありました。この製品はHゴムが塗装されていますのでこの部分込みでマスキング、貫通扉は色が違うのでここもマスキングして黄かん色を吹きます。今回もいっぱいはみ出た(赤マル部)のでタッチアップします。
はぁ疲れる…いらん事せなんだらよかった、と後悔しつつ②へ続きます。
以上