この着色済みキットの食堂車はオシ17の他に運行開始時から6ヶ月間だけ連結されたマシ35もセットされています。
組立説明書を見て気がついたのですがベンチレーターがない!残念なことに単品発売している板キットを塗装しただけのようで、原型だった実車とは異なり更新後の姿がプロトタイプになっています。
マシ35 1-3は「はと」用と「つばめ」予備用として製造、1956年11月から1957年10月まで「あさかぜ」に、1958年10月から1959年5月まで「はつかり」に使用、冷房装置は当初KM6で1958年にディーゼル機関直結駆動式の三菱CAE81へ更新、1960年度に近代化工事を施工して「まりも」に連結、1965年に青15号変更されて同年10月から「ていね」に充当されるも、1968年10月のダイヤ改正で編成から外され1969年3月に廃車されました。
マシ35 11・12はマシ36の名称で「つばめ」用として製造され1952年7月にカシ36に、1953年3月にマシ35 11・12に改称、1957年に青大将色に塗装変更され同時に冷房装置を三菱製のCAC12からCAE81に換装、「つばめ」や「はと」の予備車の他「さくら」や「なにわ」でも運用され、1960年度に近代化工事を施工したあと1962年に電気暖房を搭載して2011・2012に改番、1964年10月までは「北斗」・「北上」に、それ以降は「十和田」に充当されるも1970年10月にオシ17に置き換えられ同年12月に廃車されました。
台車は専用のTR46ですが、43系客車で一般的なTR47と比べて枕ばねが4連になり下揺れ枕を防振ゴム付きとした程度なので、NゲージサイズではTR47と同じに見えます。
またオシ17は製造時期によって2形態あります。
●1次車前期(1956年製 オシ17 1~4)
「つばめ」「はと」用として製造、調理室扉窓なし、喫煙室非常扉あり、食堂側窓は二重固定窓(ガラス内側のアルミ窓枠が外側から見える)、食堂側窓上の水切あり、全ての側窓にHゴムあり
●1次車後期(1957・1958年製 オシ17 5~10)
「あさかぜ」「さちかぜ」用に製造、公式側のみ調理室扉に窓を追加
●2次車(1959年~1961年製 オシ17 11~25・2051~2055)
喫煙室非常扉廃止、食堂側窓は複層ガラス窓に変更(ガラス内側に窓枠は見えない)、食堂側窓寸法変更、食堂側窓上の水切廃止、各開閉窓のHゴム廃止
オシ17の台車も専用のTR53ですが、マシ35と違って珍しい近畿車輌製シュリーレン台車のため近似台車がなく模型化で頭の痛いところです。
なおオシ17 10は空気バネのTR57で、11以降は揺れ枕吊りを改良したTR53Aに変更しています。
製品のオシ17は写真⭕️部の非常扉が廃止され窓が一つになっているため、マシ35と違って実車通り「はつかり」に使用された11〜の2次車がプロトタイプです。
続きます。