年末に「はやとの風」や「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉」で旅行した肥薩線を紹介しましたが、それ以前の1980年から1993年9月の間にも4回ほど乗車しており、思い出のある列車のいくつかは模型でも再現していこうと考えています(写真は1983年10月に肥薩線中福良–表木山間で撮影した吉松発西鹿児島行の快速やたけ)。最初は1992年9月5日に隼人から吉松まで乗った非冷房のキハ58系 2両編成です。9月初旬にもかかわらず暑い思いをして乗っていた記憶がないので、山の中を走るため結構涼しい風が入って快適だったのではないかと思っています。非冷房車で廃車が決まっていたためか、JR九州色には塗られていませんでした。当初は30年くらい前に入手したKATOキハ58系用非冷房屋根板セットを使って、ムギ球・旧室内灯仕様のキハ58/28冷房車をナンチャッテ非冷房化していました。いずれも屋根板を非冷房用に交換して床下をグレー塗装し、旧室内灯(11-201)を装備しました。妻板の冷房装置用配電盤も床下の4VK発電セットも装備されている2000番台の非冷房車です。初期のKATO製10-169キハ56系タイプ2両セットを持っていたので、これの床下が使えないか検討もしています。この製品はキハ56/27といいながら窓の二重化や小型化はされていません。屋根板は非冷房で、妻板も配電盤はなく窓が設置されている非冷房仕様ですが、残念ながら床板は流用されており冷房電源用発電セットがぶら下がっていました。その後KATOから発売された非冷房キハ58系「ざおう」のセットバラし品を見つけたため、これを使うことにしてこれらの旧製品改造車は1970年の急行「あしずり」に転用します。新規に用意したのはキハ58のM車(写真右)とT車(写真左)で、もともと非冷房の車体なので改造する必要はありません。車番は590と603で所属も山形(秋カタ)ですが、これらを綺麗に消せるとは思えないのでそのままとします。T車はキハ28にするつもりでしたが、非点灯のキハ28にはライトユニットだけでなく導光部も付いていないことがわかったためです(点灯化するにはライトユニット付のキハ58を1台潰す必要がある)。前面はT車M車共通で、運転台部分の照明ユニットを外して「急行」表記の前面種別方向幕を車内側から押し出して抜き白地に変更、シャッター式タイフォンも引き抜いて「Z06-1477 キハ58タイフォン(暖地用)」のスリットタイプに交換します。前面種別方向幕に「普通」を、その両側に「架線注意」を貼ります。またT車のジャンパ栓はケーブル付にしてクリーム色のケーブルをエナメルのフラットブラックで塗装、M車はケーブルなしとしてホロを取付けます。ノッペリ感を消すためにタイフォンと渡り板および車体側面の給水口にウェザリングブラックでスミ入れし、Tomixの98283国鉄キハ58系急行ディーゼルカー(由布)セットに付属していたJRマークとシルバーシートマークを転写しました。商標の関係からかJRマークの一般販売がなくなって久しい中、Tomixのキハ58系製品に付属されているのは嬉しい限りです(特にこのセットはJR九州の赤字)。なおシルバーシートマークは運転席を左側にした側面のみです。このJRマークの位置がクセモノで、危うく間違えてとっても貴重なJRマークインレタをパァにするところでした。通常のマークは白色で、キハ58/28/65共通で運転席を右にして運転席側の客扉から3つ目(1つは戸袋窓)の窓の下に、運転席を左にした場合は連結面の客扉から3つ目(1つは戸袋窓)の窓下に入っています。ところがJR九州だけ赤字で、キハ58/28はどちら側から見ても運転席側の客扉から5つ目(1つは戸袋窓)の窓の下に入っています。またキハ65は4人席窓の5つ目と6つ目の間で、なぜかキハ58/28と区別されています。T車はカプラーに付いているスノープラウをニッパーで除去しました。M車は「6113C3 キハ58 カプラーセット」が手に入ったので交換しました(運転席側用と妻面用があります)。どちらも見栄え向上のために付属の連結器胴受を取り付けました。室内灯はT車にKATO純正のLED室内灯クリア6両分入(11-212)を、M車にTORM.のLED室内灯・汎用・白色(TL-032)を使用しました。バラバラなのはどちらも1個しか在庫がなかったためで、購入したら入れ替えるつもりです。M車は新タイプの動力車の取付け方法が変わったため、使った室内灯ユニットは純正品と異なり一体型になっているので加工が必要です。室内パーツにある基板押さえのツメをニッパーでチョッキン!で室内灯ユニットの端が導電パーツ取付部にハマるように取付けます。室内は青一色に変更されましたが、残念なことに明る過ぎてモケットの色とはかなり違うため塗装します。こんな色にするくらいなら、ベージュの方が後々の手間がかからなくてよかったですよ、KATOさん。床をGM09ねずみ色1号で、シートのモケット部をGM22ブルーBで、シート本体をタミヤカラーXF-12明灰白色で、仕切り板(壁)をMr.カラー321黄土色で筆塗りします。室内灯ユニットを取り付けて車体を被せてお仕舞いって思ったけどなんか変。実車の写真を確認すると…列車無線アンテナがない!そっかKATO製品は国鉄時代の設定やったんや。ということで、Tomixの「JA14 列車無線アンテナ」を用意し、取付足の幅である2mm巾のマスキングテープをM車の屋根に貼り中心部に0.5mmの孔を開けて取り付け…入らん!穴の位置は合っているのですがライトユニットに当たって奥行きがないみたいです。結局取付け足を短くしてゴム系接着剤で取り付けました。T車は単純に取付け足を切り飛ばしてゴム系接着剤で貼り付けました。さて今回の室内灯はKATO純正品とTORM.製品を使ったので、簡単に比較します。並べてみると違いが一目瞭然ですね(左がKATO純正品で右がTORM.製品、いずれも白色)。KATO純正品はプリズム方式にもかかわらず偏りがありませんし、明るさもそこそこです。私の持つ実車のイメージは「明るいけど光っていない」ですから、こんなもんだと思います。ただ色は黄色過ぎる気がします。TORM.製品は多LED方式ですが光源付近とそれ以外で偏りが若干見られます。また明る過ぎ!で煌々と輝いて走っていますが、レンタルレイアウトに持っていくと落ち着いて見えるんでしょうか?色は蛍光灯の感じがよく出ていると思います。またKATO製品をつけた時の室内の色が、塗装した時にイメージした色が再現出来ている気がします。なおタブレットキャッチャーと客扉のタブレット保護格子はパーツが手に入らなかったこともあり省略しました。JR九州色やJR九州急行色になったものは全て撤去されていましたが、国鉄急行色のまま廃車されたものは恐らく撤去されなかったのではないかと思っています。行先サボは「隼人–吉松」を探しています。
次はこの列車から乗り継いで吉松→人吉・球泉洞→熊本を乗車した、JR九州急行色のキハ58+キハ65の急行「えびの」です。
以上